「1本・2本・3本」が「ぽん・ほん・ぼん」となぜ変化するのか子供にうまく説明出来ないパパとママが読む記事はこちらです
2015/04/29
息子:「いっぽん、にぽん、さんぽん、よんぽん、ごぽん・・・・」
この手の子どもの間違いはかわいいのでそのままでも良しとしたいところですが、教育としてはいかん。
「2は【にぽん】じゃなくて、【にほん】な」
「なんで【ぽん】じゃなくて【ほん】なの? ねえなんで?」
まあ当然そうなるよね。なんでだろうね。なんで変わるんだろうね。パパもわかんない。
こういう時、どう親が子どもに答えるべきかを調べまくって相当時間を費やしました。ここに整理しておきます。
photo credit: sicolan via photopin cc
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「ぽん・ほん・ぼん」と変わる理由
結論:そういうものなのです。
最初に結論から言っておくと
「そういうものなの。まるまる覚えるしかないの」
理由はない。世の中には説明できないこともあるのだ。日本語は難しい。
答えを期待して読んでくれた方、拍子抜けさせてごめんなさい。
この結論に至るまでの経緯
言語や音声の観点から研究されていろいろな回答があることにはあるのですが、調べれば調べるほど混乱してきます。要はわかりやすくて明確な回答がないのです。理屈で説明できないところが多いのが「ぽん・ほん・ぼん」
こんなものに丸一日ハマった人間からすると、深入りしないほうがいいと思う。疲れるだけなので追求しなくていいと思う。
さわりだけご説明しておきます。
この音の変化は、先行する数字の発音から「言いやすさ」を優先した結果です。
これを後ろの言葉が濁音に変化する「連濁(れんだく)」や、発音しやすくするために語中語尾が変化する「音便(おんびん)」と言うそうです。
普通に考えて「法則性」を見い出したくなるはず。
位が上がっても「ぽん・ほん・ぼん」は変わらないのですが、細かく見ていくと、前の音に対する法則は部分的にしか通用していない。例えば、「3」と「4」は最後の音が「ん」なのに「さんぼん」「よんほん」と異なる。
「3」と「4」を声に出して言ってみてください。この一件を調べている過程で初めて認識したのですが、同じ「ん」でも異なる「ん」なのです。「3」と「4」を言った後の口の形が違う。
この発音の違いが後ろの「ぼん」「ほん」の違いに通じています。
では「3」ならみんな同じルールなのかと思いきや、他の助数詞を見てみると「3本」「3杯」「3匹」は濁音になっても、「3発」「3泊」「3敗」「3歩」は半濁音になる。同じ「はい」なのに「3杯」と「3敗」は違う。もうなんのこっちゃです。
他にもこういった「助数詞の異形態」は数多く日本語に存在し、この難問は専門家でもうまく説明できない部分が多いようです。
ということで、自分はこのあたりで手に負えない問題だと悟り、大混乱したまま調査を放棄しました。興味がある方は僕の屍を越えて樹海へ踏み込んでみてください。
参考 東京外国語大学言語モジュール「助数詞」/MARGES DE LA LINGUISTIQUE「いっぽん、にほん、さんぼん問題の解決」/趣味人倶楽部「鉛筆などの数え方で、「本」の読みが3種類ありますが、その国語的ルールを教えて下さい」「日本語は難しい」/Yahoo!知恵袋「なぜ、えんぴつなどは 1ぽん 2ほん 3ぼん と」
では子どもにどう説明するか?
「なんで?」と子どもに聞かれたら親はどう答えればよいのか?
力技です。理屈で説明できない以上、「こういうものなので覚えよう」です。
同じ疑問と流れにハマった先人たちが、子どもたちに歌で覚えさせようと苦労したあとが残っています。
ピタゴラスイッチ「ぽん ほん ぼんのうた」
ぽん ほん ぼんのうた。僕は知らなかったのですが、ピタゴラスイッチおたくの息子に見せたらすでに知っていました。
こういうのもあります。天才てれびくん「にっぽん・なんばあず」
著作権的にどうかと思うので、後で動画へのリンクは削除します。とりあえずの参考まで。
こういった歌で一気に子どもの興味をひいて「ぽん・ほん・ぼんのルール覚えさせてしまえ」というのがスムーズなのかもしれません。
Twitterでこの問題を「わけわからん」とぼやいたところ、リプライとメールで上の歌の存在を教えてくださったRyusuke Tさん、こうたさん、ありがとうございます。
まとめると、「ぽん・ほん・ぼん」と変化する理由は難解すぎて、理解も説明も困難だ。
なので、子どもの吸収力に期待して力技で覚えさせる。
職業が日本語学者でない親は、このような流れで我が子に刷り込み学習させるしかない。しばらく我が家は、「ぽん ほん ぼんのうた」をピタゴラスイッチ好きの息子とのお風呂タイム強化ソングといたします。
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Comment
久しぶりにコメントさせていただきます。
kumitaと申します。
とても興味深い記事でした。
子供の純粋な質問や疑問、できるだけ答えてあげたいですよね!
言いやすさが優先された結果なのですねー。
実は父が外大卒で日本語教師をしています。
聞いてみたいと思います!!笑
kumitaさん
いつも読んでいただいてありがとうございます。
子どもの純粋な質問に答えたいのはやまやまですが、なかなか難問も多く、ネットがない時代の親たちはどうしていたんだろうという疑問があります。いい時代に親をやっているというか。
今後ともブログともども宜しくお願い致します。