僕らの教育資金の計画や貯め方では生ぬるいのかもしれない
2015/05/16
未就学児の親のうちの7割以上が、「子どもの将来」について不安を感じていること。
1位:教育資金
2位:ネットやSNSの利用
3位:就職活動
ソニー生命保険株式会社が発表した「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」の結果を見て、思わず笑ってしまった。みんな、今から我が子の「就職活動」の心配をしてんの?!
まあそんなツッコミを入れつつも、この調査結果は「教育資金」の「理想」と「現実」がよく見える。そして、怖くなった。
参考 ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」
リンク張っておくだけだとたぶん見てくれないと思うので(自分が他のサイトでそうだから)、僕がどこを見て怖くなったのか?どのポイントが気になったのか?を整理しておきます。
調査対象は以下の通り。
- 大学生以下の子ども(複数いる場合は長子)がいる男女、20歳~69歳
- 有効回答から1,000サンプル抽出
- 親の性別×子どもの性別×子どもの年齢(未就学、小学校、中学校、高校、大学など)の属性ごとにほぼ均等配分
データの偏りがないため、傾向と実態がきちんと見えるいい調査結果だと思います。
photo credit: PistigriloXP via photopin cc
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未就学児の親が抱く「子どもの将来への不安」
未就学児の親は「子どもの将来」についてどんな不安を抱いているのか?
1位:教育資金(81.0%が不安)
2位:ネットやSNSの利用(75.4%が不安)
3位:就職活動(74.2%が不安)
4位:学校生活(69.7%が不安)
ソニー生命保険株式会社公式サイトのグラフをお借りします。
1位の「教育資金」はわかる。すごいよくわかる。
しかし、2位の「インターネットやSNSの利用」と、3位「就職活動」は、未就学児の段階から心配してもしょうがないのでは・・・と思う。
mixiが10年持たずに廃れたように、TwitterやFacebookもいずれ廃れる。LINEが、いつユーザーの支持を失ってもおかしくはない。
子ども達が大きくなってSNSに触れる年齢になった時に、どんなサービスが主流なのかがわかっていたら、僕らは大金持ち。デバイスの革新により、劇的にネットやSNSのスタイルが変化しているかもしれない。「ネットやSNSの利用」なんて、今から心配したってしょうがないです。
いらぬ心配しているより、親がネットリテラシーを身につけておくほうが先。
「就職活動」もそう。今の未就学児たちが就職活動をするであろう15年~20年後に、なくなっている職種もいっぱいあるでしょう。逆に新たに創出された職業も出てくる。今から心配したところでどうにもならない。
しかも時代は少子超高齢化。2015年現在、65歳以上は日本人口の4人に1人だが、2030年には3人に1人が65歳以上の老人。若い労働力は引く手あまたなんじゃないの?
そんな予想も難しい何年も先をやたらと心配する一方、すぐに訪れる「学校生活」を一番、親が楽観視しているというデータはおもしろいです。
教育資金について感じる不安の原因
さてここからが本題。不安ランキング1位の「教育資金」の「不安を感じる原因」はなにか。
未就学児の親のうち、教育資金に不安を感じる理由の回答で最も多かったのは「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(75.1%)
みんな同じなんだね。
続いて「収入の維持や増加に自信がない」「消費税増税」「社会保険料の負担増」「病気やケガで収入が途絶えるリスク」と続きます。
そして、未就学児の親に「子どもが小学生から社会人になるまで必要な教育資金」の「予想」を聞いたところ、「1,000万円~1,400万円」の回答が47.6%。平均は「1,229万円」
この予想はそんなにズレていない。
うちのブログでは、大学出るまで「ひとり1,000万円」あればなんとかなるだろう!と、とことん計算した結果を出しています。まあ、あくまで試算なのでそれぞれの環境やその時々の状況で金額が前後するのは致し方ない。
関連記事 脱「子供の教育費総額2000万円貯めなきゃ病」 学費の推移と正しい準備法を学ぶ
このブログが20年後にあるかどうかは知らないが、うちの子の教育にいくらかかったか全部記録しておくのも面白いかも。
よそのおうちの教育資金「理想」と「現実」
気になるけど調べようがない、よそのおうちの教育資金に対する考え方、準備の仕方と実際も、調査結果から見えてきます。僕が一番ひっかかったポイントがここ。
教育資金の「予定」と「実際」
「高校生以下の子どもの親」に「教育資金を準備している方法」「準備しようと思う方法」を聞いた結果です。
教育資金の準備は「学資保険」(54.0%)と「銀行預金」(49.6%)が多い。次に「奨学金」が続きます。
「特に準備する予定はない」(9.8%)もけっこういる。
かたや、「大学などに通う子どもを持つ親」に聞いた「実際」に「教育資金を準備した方法」と比較すると・・・
これ、恐ろしいグラフです。
「学資保険」や「銀行預金」は、ほぼ予定通り。問題は、教育資金の「予定」と「実際」の差が出てくるところ。
- 奨学金
- 祖父母からの資金援助・借り入れ
- 教育ローン
教育資金が当初の予定通りに捻出できず、親が「お金を借りる方法」で足りない部分を調達している実態が見えてきます。
「奨学金」は、15.2%の親が予定していたが、実際は倍以上の36.0%が利用。
独立行政法人日本学生支援機構の「学生生活調査結果」では、奨学金を利用する大学生は全体の50%、大学院生は65%というデータもあります。
また「祖父母の援助」も5.5%の親が予定していたが、こちらも倍以上の13.2%が実際に利用。「祖父母からの借り入れ」や「教育ローン」も予定と実際の差があります。
教育費の家計への圧迫は、大学の時がピークだと言われています。一般家庭はほぼ赤字になるのが定説。
教育資金のうち「予定していた方法」では賄えない部分が出てきて、他の調達方法を探さざるを得なくなった。お金をどこかから「借りる」しかない。そんな現実がこの調査結果から浮かんできます。
教育費の負担で親が直面する「現実」
追い打ちをかけておきます。「大学などに通う子どもの親」に、教育資金に関する現在の状況をヒアリングした結果です。
- 子どもが卒業するまでの教育資金に不安がある:59.5%
- 教育資金の負担で日々の生活が苦しい:63.6%
- 教育資金の負担で自分の老後の備えはできていない:74.0%
この調査結果は、気分が沈むわ。
収入を増やすのも容易ではありませんし、ない袖は振れない。将来を恐れるあまり、家計を締め付けて過度な節約に走るのも毎日が楽しくない。
しかしながら、大学などに通う子を持つ「6割から7割の親」が、教育費の負担に相当あえいでいる。自分たちの老後にまで影響を及ぼしている。
この現実は、将来同じ道を必ず通る僕らが知っておくべきことなのではないでしょうか。
今の教育資金計画や貯め方は正しいのだろうか?
つまり何を言いたいかというと、僕らの今思い描いている教育資金計画や貯め方では「生ぬるい」のかもしれない、ということです。
子どもが大学に進学する頃、今思い描いている以上に厳しいお金の問題に直面する可能性がある。この調査結果のデータが、それを示しています。
ずさんな教育資金計画の場合、お金の問題にぶつかるタイミングは当然早まるでしょう。
お金が足りない時になってから、慌てふためいても遅い。お金は急には貯まらない。
将来、子どもが大きくなり進学すれば、親としてこの先輩たちと必ず同じ道をたどる。その時、家計への影響は?家計の危機は?どう備えておけばいいのだろうか?
甘い教育資金計画では早々に行き詰まってしまいます。
日々の子育てに追われていると、目の前に精一杯で教育資金計画なんて後回しにしがちです。
この調査結果は、そんな僕らに、子どもが小さい頃から地道かつ正しい長期的な計画を立て、「子どものため」と「自分たちのため」のバランスをうまく取りながら、教育資金をきちんと準備しておく必要性を強烈に示唆しています。
難しいことなのは、わかってます。しかし必要とあらば、ファイナンシャルプランナーなどのプロの手を借りてでも、将来のためのプランニングをすべきなのだと、自らの意識を新たにしたしだい。
お手元の教育資金計画、生ぬるくはないですか?
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Comment
うん、うん、コワイこわい!!
資金問題(-_-;)
うちは、まだ1歳の息子だけですが、自分は若い頃から呑み歩き
楽しい思い出しか残ってないのが残念なのか何なのか(*_*)
部屋がせまいから引っ越したい!と思ったけれど家賃が上がる→貯金が出来ない。もしくは貯金額がかなり減る→自分たちの老後や子供の学費の心配。
ブログにあったより深刻にな家庭になること間違いナシ((T_T))
まだまだ先の話だと思ったけどお金問題=学費と家賃と老後問題は尽きないテーマですね。。。
貧乏ひまアリさん
コメントありがとうございます。
まだまだ先だと考ていると、あっという間に問題の波に飲み込まれてしまいそうです。
焦ってもしょうがないし、でも焦ったほうがいいんだろうし、難しいところです。