10年前と今のエアコンの消費電力と電気代を比較してみた
2015/05/24
実家の父親から「今度、エアコンを買い替えたいからヤマダ電機に付き合ってくれ」と電話がありました。家電量販店でのハードな価格交渉は、年寄りにはしんどいようです。
で、エアコンの下調べをやって、たまには孝行息子っぽいことをしている。いろいろ調べてると、エアコンの購入額もさることながら「エアコンの電気代ってどれくらいかかるんだっけ?」「10年前のモデルから買い換えたらどれくらい電気代が浮くのだろう?」とランニングコストがやはり気にかかる。
安物を買って、日々の電気代が高いんじゃ意味がない。ざっと電気代を計算し、10年前、20年前との電気代の差を比較してみます。
Photo: undefined by Ryosuke Sekido
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新品に買い替えると何がどう進化して電気代の節約に繋がるのか?
新しいエアコンに変えると「電気代が◯◯%減る」とは聞くけど、じゃあエアコンの何がどう進化したから電気代の節約になるのか?
なぜエアコンで部屋が冷やせるかというと、エアコン室内機の中にある、薄いアルミ板が何百枚も重なった「熱交換器」という冷たいパーツに風を当てて、冷風を出すからだ。
→ 熱交換器を冷やす作業を繰り返し循環する装置が、「コンプレッサー(圧縮機)」という装置。
→ エアコン全体の消費電力を100%とすると、その89%がコンプレッサーで消費されている。
引用 家電Watch「そこが知りたい家電の新技術 古いエアコンを新品に買い換えると節電になる……ってホント?」より抜粋
このコンプレッサーを省エネ化することで、効率的に消費電力が抑えられる。
新しい技術で他の部分も年々省エネ性能がアップしていますが、一番電力を食うコンプレッサーの省エネ化が近年のエアコンの電気代削減につながっていると言えます。
10年前、20年前のエアコンと比較して電気代がいくら減るのか?
Photo: undefined by Dick Thomas Johnson
省エネ性能が進化するエアコンですが、10年前、20年前のエアコンと比較するといくら電気代が減るのだろうか?
調べたところ、冷房性能2.8kW(8~12畳)クラスの一般家庭用エアコンを、冷房期間3.6ヶ月(6月2日~9月21日の112日間)と暖房期間5.5ヶ月(10月28日~4月14日の169日間)使用した場合の消費電力データがありました。
- 1995年型:1,492kWh
- 1996年型:1,302kWh
- 1997年型:1,201kWh
- 1998年型:1,159kWh
- 1999年型:1,068kWh
- 2000年型:1,017kWh
- 2001年型:990kWh
- 2002年型:947kWh
- 2003年型:963kWh
- 2004年型:945kWh
- 2005年型:919kWh
- 2008年型:858kWh
- 2013年型:844kWh
- 2014年型:837kWh
参考 一般社団法人日本冷凍空調工業会「家庭用エアコン気になる消費電力量は」/Vanden「オール電化」/資源エネルギー庁「省エネ型の機器を選ぶ」/ダイキン「買い替えによる省エネ効果」/東京電力「省エネ製品への買い替え効果」
日本冷凍空調工業会という一般社団法人が出しているデータですが、調べまくっても00年代後半からのデータが歯欠けでしか見つかりません。ただ年々、エアコンの消費電力が減少していっているのはわかるかと思います。
それでは、直近の2014年、10年前の2004年、19年前の1995年型のエアコンでそれぞれ想定される年間電気代を算出して比較してみます。
- 1995年型:年間電気代40,284円
- 2004年型:年間電気代25,515円
- 2014年型:年間電気代22,599円
※電気代は1kWh=27円で計算
ユーザーの使用環境や使用時間に依存するので一概には言えませんが
- 20年前 VS 10年前:37%減
- 20年前 VS 現在:43%減
- 10年前 VS 現在:11%減
電気代が減る計算となります。
押さえどころのおさらいですが、エアコンの電気代は「20年前と比較して4割減」「10年前と比較して1割減」です。
まとめ:エアコンの省エネはもはや行き着いたのかも
90年代後半から00年代前半まで、エアコンの省エネ化により使用電力が急激に減ったのが、上のデータの推移から見て取れます。
20年前のエアコンがいまだ現役でガンガン動いているのはレアケースと考えられますが、90年代のモデルのエアコンを騙し騙し使っているような状況であれば、「4割以上の電気代削減」が見込めるため、躊躇することなく買い替えがおすすめ。
本来かかっていたであろう電気代で、新しいエアコン購入費も早い段階で相殺できます。
逆に10年前のエアコンでは、現在のモデルと比較すると「1割程度の電気代削減」の効果があることにはありますが、そんなに目の覚めるような電気代の節約は見込めません。
10年前のエアコンを買い替えるのであれば、暖房・冷房効率や体感センサー、除菌やフィルター自動洗浄など最新機能を見ながら、想定される電気代と相談しつつ検討していったほうが良さそうです。
エアコンの省エネ機能は、どうやら10年前の段階で技術の進化とともにすでにそこそこのレベルまで行き着いてしまっているようです。これからも消費電力は減少はしていくのでしょうが、ここ数年の減少率から見ると今後も緩やかな減り方と予想。
「10年前と比較して電気代が安くなるからぜひ買い替えよう!」という電気代節約の観点からのエアコン売り込みは、おのずと限界が見えてきているのかなと感じます。
買い替えの投資に、電気代節約と最新機能が見合うのかどうか。うまくバランスを見ながらエアコン買い替えのタイミングを模索していきたいものですね。
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Comment
こんばんは。初めまして!
最近引っ越しをしまして 物件にエアコンがついていたのですが 古そうなので電気代が高くつくと思い買い換えようか迷って 検索していたところココにたどり着きました!2005年製
なので 省エネは十分そうですね!
ブログに書いて頂いて助かりました。ありがとうございますm(_ _)m
ゆかりさん
コメントありがとうございます。
そうですね、2005年製なら許容の範囲かと思います。ご丁寧にお礼のコメントありがとうございました。
はじめまして!
引っ越ししてから夏と冬の電気代が高くなり備え付けのエアコンを冬に使うか迷ってました。なんせ96年製で10年前。掃除した時にビックリしたのがローラーの手前に電気ストーブみたいなのがついてて、どう掃除すれば良いのかさえ???状態。そんなエアコンを点けたら電気代はどうなるの⁈と、びびって電気ストーブを使用してたら先月はいつもの3倍の値段に…。
子育てパパさんの比較は参考になりました。
今月からはエアコンを上手く利用して節約したいと思います。ありがとう!
シエルさん
コメントどうもありがとうございます。お役に立てて良かったです。
備え付けだと自分の裁量でどうにでもなるものでもなく、試行錯誤が大変ですよね。古い設備はランニングコストがかかるということを頭に置いてそれと物件の築年数と家賃の兼ね合いでコストとコストパフォーマンスを計算・・・と考え出すとキリがありませんけど、そういう視点も節約するには必要だなあと頂いたコメントから改めて考えてしまいました。
今後ともブログともどもひとつ宜しくお願い申し上げます。
こんにちわ、大変参考になりました。
家も、引越しすることになり、物件を見にいった所、12年前のコロナのエアコンが備えつけてあり、買い替えた方がいいか悩んでましたが、読ませて頂き様子をみてもよさそうかな?とおもいました。
猫がいる為24時間フル活動なので…微妙ですかね?
ゆかさん
コメントどうもありがとうございます。お役に立てて良かったです。
12年前ですか、おっしゃるとおり様子見で発生する電気代を見つつ検討でもいいような気もします。24時間フル稼働だとおのずと結論も買い替えにいきそうな感じですけど。
20年前のナショナルのエアコンを3台使っています。いい加減買い替えようかと検索していたら辿り着きました。夏しか使わないのですが今年はフル回転。電気代が気になり始めました。参考にさせていただきます。ありがとうございます。
かーちゃんさん
コメントありがとうございます。お役に立てたのであれば嬉しいです。
14年ほど使ってきた2004年製、日立のRAS-EF25Sを、今月2018年製パナソニックのCS-228CFR-Wに更新しました。新しい機種と、若干能力落としても良いかな、という事で選択しました。約15年でどの程度の省エネが進んだのか比べてみたくて各々の本体銘板の写真撮っておいて比べると意外な結果に。
冷房に限定して記します。
2004年製/2018年製の対比。
冷房能力:2.5KW / 2.2KW
冷房消費電力:0.405KW / 635W
冷房運転電流:4.4A / 7.05A
冷房能力88%でも、消費電力157%、運転電流160%、と増エネになってしまいました。なぜでしょう?
想定されること。
1.メーカーによって測定方法が異なる。
JISが有るからそんな事無いよね。自動車メーカみたいな事が?と思って探してみると、日立のこの頃の製品で、ユーザが不通に操作できない方法で風量測定が行われていました、という反省文が公開されてました。
2.時代とともに冷媒が変わってきてるので、実は電力当たり冷房能力は下がっている。
そんな事、メーカーがするわけ無いよね。
3.小型ほどエネルギー効率は悪い。
普通車の2Lエンジンを軽自動車に乗せて走らせたら燃費悪そうだなー、といったような話が有るのかな?
この謎の意味を誰か教えて欲しい、と思う今日この頃です。
TOSHIさん
コメントありがとうございます。興味深いお考え大変勉強になります。
調べたら日立が8畳用、パナが6畳用ですね。
日立の型番で調べてももう古くて出てこないのですが、パナソニックは公式サイトが出てくるので調べると本体表示の冷房商品電力は確かに635Wですが、説明書の消費電力の目安はJIS2013の基準で冷房時223W、JIS2005の基準で194Wと記載されています。
僕も専門じゃないので推測で書きますけど、パナソニックは電力消費の平均値を記載しているのかなんなのか、パナソニックの2004年製の数値から比較すると省エネが進んでますし、詳細の数値を見る限りでは昔の日立のエアコンよりかは省エネになっていると思われます。
どのタイミングの消費電力を記載するのかがメーカーによって違うのか、それはメーカーに聞いてみないとわかりません。
初めてコメントさせて頂きます。この度関東から関西へ引っ越しを予定してます。今現在のエアコンは10年前の物です。関西の新居へ脱着して持って行くか、脱着費用を考えると
置いて行った方が良いか悩んでます。
どうでしょう?
CHERRYさん
コメントありがとうございます。
何畳用かエアコン自体のモノがいいものかたいしたものじゃないのかよくわかりませんが、僕だったら、で考えると10年使ったものなら置いていけるならそのまま置いていきます。ぼちぼち買い替え時ですから。
関東から関西という引っ越しの距離とはずすのと設置を引越し業者に頼みますとそれだけ運び代も含めてかなり料金加算されますし、持っていかない選択でただで外して処分してくれる業者もあるかもしれませんが探したり日程調整が面倒だったり下取りはおそらく値がつきません。大家さんの許可が取れるのであれば手間考えるとそのまま置いて引っ越しするのが一番楽なような気がします。
そして新居では新しくエアコン購入、ってのが電気代などの今後のランニングコストも考えてスムーズだと思います。予算的なものもあり、そこも不明ですのでなんともですが、僕はそう判断します。
余談ですが我が家は前の賃貸物件でクーラーがなかった部屋に自分でクーラーを設置し、5年使ったクーラー置いていくからと退去時に清掃費まけてゼロにしてもらいました。
以前、14畳の部屋に付いていた2000年製2.2kwのエアコンを2015年製2.5kwに買い替えたことがあります。
当時家電価格サイトで書かれていたのは、
・10年前のエアコンは買い替えたほうがお得
・能力の小さなエアコンで広い部屋を冷やすのはロスが大きい
でした。我が家はその2つに当てはまったので電気代が安くなることを期待して買い替えたのです。
しかし期待に反して電気代は大幅増になってしまいました。前年との気候の差を補正してもです。いろいろ原因を考えましたが、今では以下のような結論に達しています。
・広い部屋を能力の古くて小さいエアコンで冷やすと効率が悪いのは確かである。
・しかしそれは広い部屋を全部冷やそうとした場合である。
・能力の小さなエアコンを使うと広い部屋の一部分だけしか冷えないけれども、生活する上ではそういうところにテーブルなどを置いているのであまり支障がなく、能力の低さゆえに消費電力も少ないので電気代は安く済んでいた。
・しかしエアコンの能力がアップすると「別に冷えなくてもよかった個所」も冷やすことになり、その冷やし方は新製品なら効率はいいだろうけれども電気代の増加につながる。
以後、我が家の省エネ政策は「スモール・イズ・ローコスト」になりました。
俊六さん
コメントありがとうございます。
そういう視点もあるのかと勉強になりました。新たな気づきをどうもありがとうございました。